OPIレベルについて

 日本語のレベル判定は, ACTFL(全米外国語教育協会)の面接式口頭能力テスト Oral Proficiency Interview(ACTFL-OPI)の方式を用いています。OPIの判定尺度には,超級(Superior),上級(Advanced),中級(Intermediate),初級(Novice)が設けられており,超級以外の級はさらにそれぞれ,上中下の下位分類があります。したがって全体としては超級から初級の下までの10段階となります。各級のおおまかな判定の基準は以下の通りです。

1.概略

超級 :
(機能・タスク)裏付けのある意見が述べられる。仮説が立てられる。言語的に不慣れな状況に対応できる。(場面/話題)フォーマル/インフォーマルな状況で,抽象的な話題,専門的な話題を幅広くこなせる。(テキストの型)複段落
上級 :
(機能・タスク)詳しい説明・叙述ができる。予期していなかった複雑な状況に対応できる。(場面/話題)インフォーマルな状況で具体的な話題がこなせる。フォーマルな状況で話せることもある。(テキストの型)段落
中級 :
(機能・タスク)意味のある陳述・質問内容を,模倣ではなく想像できる。サバイバルのタスクを遂行できるが,会話の主導権を取ることはできない。(場面/話題)日常的な場面で身近な日常的な話題が話せる。(テキストの型)文
初級 :
(機能・タスク)機能的な能力がない。暗記した語句を使って,最低の伝達などの極めて限られた内容が話せる。(場面/話題)非常に身近な場面において挨拶を行う。(テキストの型)語,句

2.正確さ

超級 :
(文法)基本構文に間違いがまずない。低頻度構文には間違いがあるが伝達には支障がない(語彙)語彙が豊富。特に漢語系の抽象語彙が駆使できる。(発音)だれが聞いてもわかる。母語の痕跡がほとんどない。(社会言語的能力)くだけた表現もかしこまった表現もできる。(語用論的能力)ターンテイキング,重要な情報のハイライトの仕方,間の取り方,相づちなどが巧みにできる。(流暢さ)会話全体が滑らか。
上級 :
(文法)談話文法を使って統括された段落が作れる。(語彙)漢語系の抽象語彙の部分的コントロールができる。(発音)外国人の発音に慣れていない人にもわかるが,母語の影響が残っている。(社会言語的能力)主なスピーチレベルが使える。敬語は部分的コントロールだけ。(語用論的能力)相づち,言い換えができる。(流暢さ)ときどきつかえることはあるが,一人でどんどん話せる。
中級 :
(文法)高頻度構文がかなりコントロールされている。(語彙)具体的で身近な基礎語彙が使える。(発音)外国人の日本語に慣れている人にはわかる。(社会言語的能力)常体か敬体のどちらかが駆使できる。(語用論的能力)相づち,言い換えなどに成功するのはまれ。(流暢さ)つかえることが多いし,一人で話しつづけることは難しい。
初級 :
(文法)語・句のレベルだから文法は事実上ないに等しい。(語彙)わずかの丸暗記した基礎語彙や挨拶言葉が使える。(発音)母語の影響が強く,外国人の日本語に慣れている人にもわかりにくい(社会言語的能力)暗記した待遇表現だけができる。(語用論的能力)語用論的能力はゼロ。(流暢さ)流暢さはない。

牧野成一他(2001)『ACTFL-OPI入門』アルク P18,19を転記の上整理

3.下位レベル(上中下)の判定基準

下位レベルを決めるときは,すぐ上の主要レベルの特徴をどれだけ維持できるかで判断。(以下略。同P26